「東南アジア諸国」-ASEAN

『TRICK劇場版ラストステージ』に見る~舞台クチン・サラワク州

今回は、現在私が在住しているマレーシアサラワク州にあるクチン市が舞台となった、日本の映画『TRICK劇場版 ラストステージ』について、語っていきます!

映画の内容というよりは、映画を見て、クチンやサラワクの文化をおさらいしようって感じのブログにするつもりですが、少々ネタバレ等も含むと思いますので、もしまだご覧になられていない方は、ご覧になってから本記事を読んでくださいね。

ちなみにめちゃめちゃタイムリーなんですが、ちょうど先日からAmazonのプライムビデオでTRICKの配信が始まりました!プライム会員の方はもちろん、そうでない方も30日間無料体験があるので要チェックです!(※本記事執筆時2018年8月10日時点の情報です)

では早速。トリック劇場版 ラストステージの舞台考察。

基本的にここからは多少のネタバレを含みますので、皆さん映画をすでにご覧になったと思って書いていきます。

舞台・クチンについて

2014年の1月に公開された映画ということで、約5年前の映画になるわけなんですね、この映画。冒頭でも書いた通り、舞台はトリックシリーズ初の海外でもあるマレーシア・サラワク州・クチン市です。

このクチン市というのは、現在私も住んでいる街なんですが、都会と自然が上手く調和した街です。ショッピングモールやホテルが立ち並ぶ街でもすぐそばにはコーヒーミルクティー色の川として有名なサラワク川が流れていて、異国情緒を感じることができます。

噂のコーヒーミルクティー色:photo by @jima8282

そんなサラワク州の所在地は、クアラルンプールなどがある方の西マレーシアのマレー半島ではなく、東マレーシアのボルネオ島。よくボルネオ”島”だから、小さくて都市間の行き来カンタンなんじゃないの?という方いると思うんですけど、ボルネオ島、世界で3番目の大きい島だと言われています。その面積743,300 km²、日本の国土の約1.9倍になるそうです。イメージつきにくいですかね?

クチンをはじめとした、サラワク州は近年開発が進んでいる様子が目に見えてわかります。今現在私はクチンに在住して6カ月ですが、この6ヵ月の間に既に新しい道路が2つできました。気づかないだけで他にもできてるかもしれない。

Grabにのっていると、地元卍な兄ちゃんがドライバーなときなんかは、「このあたりは20年前までジャングルだったんだぜ卍俺このジャングルで~卍」なんて武勇伝を語ってくれることもしばしば。(ちなみに上記インスタ写真の私が派遣されていた学校周辺は未だジャングル)あと基本通る道通る道、何かしら建設中のことが多いです(だいたい完成予定日より遅れているのがほとんどですが)。

例えば、私がクチンに来るころ(2018年1月下旬)にはオープンしているだろうと言われていたクチンのイオンモールですが、完成・オープンしたのは2018年4月中旬でした。

今やクチン人気スポット:photo by @jima8282

他にもウォーターフロント付近で今建設中のモスクなんかも本当は今頃とっくに出来上がっているはずだったのにまだ工事中です。でも、そんなサラワクですから、5年もたてばそこそこ街並みも変わっていきます。

今回トピックにあげているトリック劇場版ラストステージですが、冒頭に出てくるクチンの街並みの上空からの映像、街のシンボルとなっているサラワク州議会議事堂(Dewan Undangan Negeri Sarawak)も、当時の映像ではポツンとその黄金色の議事堂があるだけでしたが、2018年現在ではそこから対岸を繋ぐように橋(通称ゴールデンブリッジ)がかけられ、今や観光名所の一つとなっています。

夜は特に綺麗:photo by @jima8282

↑ゴールデンブリッジ、夜は七色に光ります。余談ですが、この橋めっちゃ揺れて怖いです。渡っている人数がすくなければ平気なんですが、日に日に揺れやすくなってる気がします。人が多い日なんて揺れすぎて軽く酔います。地震大国からやってきた日本人としては耐震強度が気になり。。。だいたい友達をココに連れてくるときは行きは橋を渡って、帰りは船で対岸へ戻っています。なんやかんやいいましたが、夜が特にきれいなので一度見て頂きたい。



赤道スンガイ共和国で見るマレー語

ここまでの文書を見てくださった方で、でも劇中でクチンのクの字もでてこなかったじゃないか!という方もいると思います。トリックでは、ここクチン、いうかボルネオ島は「赤道スンガイ共和国」という架空の国名で語られています。この「赤道スンガイ共和国」という名前ですが、ここもマレー語(マレーシア語)インドネシア語をかじったことがある方であれば、おもしろいなーと思うとこだと思います。

そう、この「スンガイ」、マレー語です。スペルは「sungai」で、「川」を意味します。サラワク川をメインにした舞台ですから、川を意味するマレー語のsungaiをとって、スンガイ共和国、そのままですね笑。

サラワク州サリケイ上空より:photo by @jima8282

また劇中でも、スンガイ共和国の方々が話している言葉は一部のギャグ的な言葉をのぞいて、全てマレー語です。よって、マレー語を勉強している方、このトリック劇場版ラストステージはマレー語のヒアリングの練習にもなりますので、ぜひ見て&聞いてくださいね(⇒マレー語の勉強はYoutubeにてっ)!笑

劇中でマレー語の「ikut(イコッ):ついていく」なんかは、日本語の「行く、行こう」と響きが似ていますから、ちょっとネタ的な感じで扱われている単語でした。

赤道スンガイ共和国の呪術師・村人から見るサラワクカルチャー

この映画のキーパーソン、水原希子さんが演じた呪術師”ボノイズンミ”ですが、その彼女の行動からもサラワクカルチャーを垣間見ることができます。

印象深いのが、彼女が銃で撃たれるシーン。後から分かる話ですが、彼女は銃を撃たれたら咄嗟に後ろを振り返り、銃を撃ってきた人物の首元めがけて「吹き矢」を放ちます。この「吹き矢」も、サラワクカルチャーを取り入れた演出だと思われます。

実際に、サラワク州ではお土産屋さんに吹き矢が売っていたり、サラワク文化村等に行けば吹き矢の体験コーナーがあったりと、サラワクの先住民族にとって吹き矢は大切な日常道具の一つであったことが伺えます。

サラワク文化村で観たショー:photo by @jima8282

また、その吹き矢にさされたことによって結果的に命を落とすことになった人物の手が切られさらされますが、この行動もサラワクカルチャーモチーフゆえだったのではと推測します。

サラワク州の先住民族の一つ、「イバン」はかつて「首狩り族」として有名だった民族です。その民族をモチーフに、でも日本の映像作品で生首をさらすみたいな映像はおそらくマズイから、映画では手首になったのでは?と推測します。

学校寮の壁に生徒が書いたイバンモチーフの絵:photo by @jima8282

そして、そもそも呪術師信仰ですが、サラワクに限ったことではありませんが、マレーシアでは、「ボモ」と呼ばれる呪術師が存在し、一部の人から現在でも信仰されています。

そのような社会背景のもと、今回の水原希子さん演じた呪術師の役がマレーシアの舞台で演じられたのではないでしょうか。また劇中でも、呪術師たちの自然を生かした薬学の知識は凄いとありましたが、これは本当にそうなのだと思います。

私が現在教えている学校の生徒でも、このおばあちゃんから教えてもらった方法で、この植物をすって、この植物の実と合わせると~など話してくれる子がいました。昔の人の知恵、田舎のだいたい伝わる知恵をここで呪術師たちは総まとめしているのだと思います。

また繰り返しみてみて、ココがこうだった!とかあれば

書き足します!もう見た方も、ぜひ改めてみてみてくださいね!また違った面白さがあるはずです。

そしてクチンにもぜひ足をはこんでください~!クチンのことを知りたくなった方は、私のインスタグラム@jima8282のinstagram よかったらみてみてください♪#クチン周辺情報 を定期的にアップしています。

このブログでもこれからどんどんクチン情報を掲載していこうと思っているので、ぜひカテゴリーのKUCHINGをチェックしてみてくださいね。

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