アナタは『東南アジア青年の船』ってご存知ですか?なんか聞いたことあるな~って方も少なくないはず!実は私ジマハヅも、昨年(※2016年のことです)この「東南アジア青年の船」に参加していました。2016年は半分くらいこの事業に浸かっていたといっても過言ではないです。これからちょくちょく東南アジア青年の船にまつわる記事を書いていこうと思いますが、まずは、そもそも「東南アジア青年の船」って何ぞやって方のための記事を一つ♪
※2019年2月1日追記:本記事は変更箇所など随時更新している部分もありますが、ベースは本記事投稿日の2017年5月31日時点によるもので、あくまで参考にしていただければ幸いです。
東南アジア青年の船≠ピースボートです!!!
「東南アジア青年の船!!知ってる知ってる!!よく居酒屋とかにポスター貼ってあるやつでしょ?」・・って方!残念ながら、それは東南アジア青年の船ではなく、”ピースボート”、よくある間違いですw
あるあるすぎるので、一応説明しておくと、ピースボートと東南アジア青年の船は、両方、船を使った企画ではあるんですが、参加までの過程などは全く異なります。
ピースボートが、ジャパングレイスという旅行会社が主催しているのに対して、東南アジア青年の船は、内閣府が主催。(参考記事⇒「【私も日本代表?!】内閣府の青年国際交流事業は18-30歳必見!」)
また、参加するにあたっても、ピースボートは通常のツアー旅行申し込みと同様、参加申し込み手続き・支払いをすれば参加可能であるのに対して、東南アジア青年の船は、参加資格が18~30歳の青年に限定され、書類審査、筆記、面接、合宿などの試験が課され、3段階の試験を通過した者のみが内閣府より日本参加青年として参加が認められ、事業に派遣されます。
つまり、ピースボートは「クルーズツアー(※ピースボートならではな企画は特徴ですが)」、東南アジア青年の船は「船を使った”国際交流事業”」であり、両者は全く異なるんです!(もちろん、船の魅力にハマリ、両方とも参加したことのある人も結構います♪)
では、誤解(?)が解けたということで・・改めて!
『東南アジア青年の船』って何?
東南アジア青年の船は、昭和49年から日本と東南アジア諸国の共同声明に基づいて始められた、国際交流事業で、私が参加した年の2016年は43回目の開催でした。(基本的に毎年1度、秋~冬にかけて実施されています。)
お堅めの詳しい事業内容はコチラから⇒「東南アジア青年の船」事業(内閣府HP)
ざっくり説明すると、『東南アジア青年の船』とは、内閣府が主催する青年国際交流事業(18~30歳が対象)の一つで、日本・東南アジアの青年たちと共に約2ヶ月ほど「にっぽん丸」(でないときもありますが)と呼ばれる豪華客船を使用して、日本・東南アジアを周遊し、各国で表敬訪問やホームステイを行う事業です。
「東南アジア青年の船」、日本語で略して「東ア船(とうあせん)」、英語では「Ship for SouthEast Asian and japanese Youth Program」とされ、略して「SSEAYP」「セアップ」と呼ばれています。
参加者は、日本とASEANの計11か国から、それぞれ政府により選抜・派遣された青年たちで、300人を超える各国の優秀な青年たちが集います。(日本参加青年は39名、ASEAN参加青年は各国28名ずつ、プラス各国にナショナルリーダーが1名ずつ帯同)
どうやったら参加できるの?
内閣府のホームページには、事業参加の流れとして以下のように記載がされています。
応募>>第1次選考(2月~4月)
応募窓口は、各都道府県の青年国際交流主管課(室)及び全国的な組織を持つ青少年団体です。参加申込書・作文等を提出し、応募先の定める第1次選考を受験します。
内閣府と応募先それぞれの要項を確認して応募・受験してください。第2次選考・合否決定(5月~6月)>>事前研修(6月~9月)
第1次選考を経て、内閣府へ推薦のあった候補者は、内閣府で行われる第2次選考へと進みます。第2次選考を通過したひとは、最終合格者として事前研修に参加します。事業参加(8月~3月)
帰国後の活動
社会活動に取り組んでいる日本青年国際交流機構(内閣府の青年国際交流事業に参加した青年等が自主的に組織している事後活動組織)に入会して、そのネットワークを活かしながら様々な形で活動することが基本となります。※以上、2019年2月1日時点確認の内閣府サイトの文面
※2017年度までは、「最終選考」との記載でしたが、2018年度以降、最終選考の名称が外れ、「事前研修」との記載に変更になっています。参考までに過去の記載も斜線付きで下記に残しておきます。
応募>>中間選考(2~4月)
応募窓口は、各都道府県の青年国際交流主管課(室)及び全国的な組織を持つ青少年団体です。参加申込書・作文等を提出し、応募先の定める中間選考を受験します。
内閣府と応募先それぞれの要項を確認して応募・受験してください。
第2次選考(5~6月)>>最終選考(6~9月)
中間選考を経て、内閣府へ推薦のあった候補者は、内閣府で行われる第2次選考へと進みます。第2次選考を通過した候補者は、最終選考を兼ねた*事前研修に参加し、事前研修を終了した候補者が、参加青年に決定します。事業参加(8~3月)
帰国後の活動
社会活動に取り組んでいる日本青年国際交流機構(内閣府の青年国際交流事業に参加した青年等が自主的に組織している事後活動組織)に入会して、そのネットワークを活かしながら様々な形で活動することが基本となります。
上記参考資料から、「東南アジア青年の船」事業のみをピックアップし説明すると、近年、以下のようなスケジュールとなっています。
・応募開始~応募締め切り(2月~3月)
※応募先の都道府県により異なる
・中間選考期間(3月~5月)※第1次選考期間(2018年度以降名称変更)
※応募先の都道府県により異なる/面接があるところもあれば、書類選考があるところも
・第2次選考日(近年5月~6月の土日の中から、1日)
募集段階で提示されている日時で実施、試験会場は内閣府にて ※2019年度は「東京会場(内閣府)・大阪会場(未定)」の2か所の記載あり(内閣府掲載の応募要項より)
・第2次選考結果通知日(6月下旬~7月上旬)
だいたい第二次選考日から2~3週間後、郵送*にて ※2019年度は「2019 年7月上旬までに、合格者の受験番号を内閣府ホームページに掲載する。」との記載あり(内閣府掲載の応募要項より)
・最終選考兼事前研修(7月下旬~8月上旬)※事前研修(2018年度以降名称変更)
募集段階で提示されている日時で5泊6日実施。ここで落とされることはほぼなく、全日程きちんと修了できたものが晴れて日本参加青年となる
・事業期間(10月中旬~12月中旬)
船にのっているのは11月上旬~12月中旬、それ以前に日本国内プログラムがある
・帰国後の活動(12月下旬~)
2月に一日、オフィシャルプログラムとして事業報告会が実施される(オリンピックセンターにて)その後は、IYEOの会員として地域・社会貢献活動を各々行う
どんな人が応募・参加しているの?
応募資格要件から、実際にどんな人が参加しているのか気になる方も多いはず。項目に分けてみていきましょう♪
応募資格要件について
まず、応募にあたっての要件ですが、内閣府のHPにある応募の資格要件(←内閣府サイトへ該当箇所のリンクをしていましたが、2019年2月1日現在の確認でリンクをしていたページが削除されていたため、リンクは外しました。下記は2018年5月7日時点の確認で記載されていたものです)には、以下のように記されています。
1)日本国籍を有すること
2)18歳~30歳
3)事業参加後も、国際交流活動、青少年活動等の社会活動を活発に行うことができる者
4)交流活動を円滑に行える英語力を有すること
5)内閣府の行う青年国際交流事業に参加したことのある者は応募できない。
それぞれ、説明していきますね。
(1)については、日本政府が行う事業で、日本国民の税金が使用されている事業であることから、国民への還元ということで”日本国籍を有すること”が要件としてあげられているのだと言えます。
(2)についてですが、これは青年の国際交流活動を促進する事業であるため、年齢制限が設けられています。年齢はその年度の4月1日時点のものが有効とされているようです。もしこの年齢に入ってないという方は、参加青年としてではなく、ボランティアやコアリーダー事業へ応募されると良いかと思います。
(3)についてですが、これも税金を使用させて頂いている事業であるため、事業終了後、きちんと地域・社会に己の知識や経験を還元できる人が求められているように思います。
(4)円滑に、とありますが、最低限の英語力があってコミュ力高ければ合格・不合格でいうと、合格できます。もちろん、事業内での公用語は英語ですし、ディスカッションの時間のときなんかは円滑にできないと結構つらい思いをしますが・・。
(5)については、他の内閣府の青年国際交流事業に参加青年として過去に参加したことある人は応募できないということです。なので、内閣府の青年国際交流事業へ応募を考えている方は、今一度どの事業が自分にとってベストが吟味して応募しましょう(参考記事:【私も日本代表?!】内閣府の青年国際交流事業は18-30歳必見!)
実際に試験に合格し、事業に参加している人たちはどんな人なの?
過去にSseayp Japan ContingentのFBページにて、投稿した記事にも書きましたが、この事業に参加した青年は、年齢、出身、職業をはじめとして実にバラエティ豊かな人たちが参加しています。
(1)年齢・・18~30歳まで、幅広く、満遍なくいます。
(2)出身・・北海道から沖縄まで(海外育ちの帰国子女も!)、本当に様々。1つの県から1人のみしか合格⇒参加できない、というわけではないので、代によって多い都道府県もあれば、一人もいない都道府県もあります。事業の研修等が基本的に東京で行われるためか、例年関東勢が多めです。
(3)職業・・学生、社会人、無所属、ほんとにバランスよくいます。比率は学生:社会人で半々くらい、社会人でも民間:公務員で半々くらいだったりします。無所属の人は、ギャップイヤーの学生だったり、転職中の社会人だったりこれも様々。
オフィシャルページではなくて、個人のブログだから自由に書かせてもらうと、合格⇒参加している人の特徴は、変な人が多いに尽きると思います。一般社会において、「ちょっとあの人変わってるよね」って言われてきたであろう濃ゆいメンツばっか笑。それぞれ本当にいろんな分野で優秀で、たぶんあの期間では出し切れなかった特技とか未だに秘めている人もたくさんいる。人生経験が皆豊富だから、話が尽きないし、あんだけ船で語ったはずなのに、今話を聞いてもまだ「え、そうだったの?!」なんて話があってネタ持ちの人たくさんです。「私はよくフツーって言われる」って人も、それが個性になるくらいの空間。
ちなみに過去の日本参加青年には、あの秋篠宮紀子妃殿下をはじめとした、著名な方も数多くいらっしゃって、よく同期の方が「私たち的には、紀子さまっていうより、紀子ちゃんはねっ」って話をされているのが、なんだか微笑ましいです。
学生の人は学業はどうしているの?
学生、ここでは大学生が多くなるんですが(中には専門や院の人もいます)、半分くらいの人が休学して参加、半分くらいの人がゼミの先生や担当教授と相談して休学せずに参加しています。そんな感じなので、学生は必然的に3~4年生が多いかもしれない。事業期間は10月~12月なので、大学の後期の授業だけ休学したり、休学せずに前半の事業だけ休んでレポートに変えてもらったり、秋卒業をして、4月入社までのギャップイヤーで参加するパターンもあります。大学によっては、そもそもこの事業に参加・終了することで単位がもらえる大学も。
社会人の人は仕事はどうしているの?
一部の公務員は、業務研修の一貫として事業に参加することが認められ、通常の業務と同じく給料をもらいながら参加する人もいます(なんなら休日出勤扱いで、いつもより給料良いらしい・・めっちゃうらやましかった)。公務員でなくとも、民間企業で外部の研修を取り入れている会社なら研修分の給料出してもらえるかも。ただ、一般的には会社を休む(給料もらえないか、有給消化)ことになるかと思いますので、上司などと要相談。中には会社を辞めてまで事業に参加する人もいます。
実際に事業に費やす期間ってどのくらい?
これも東南アジア青年の船日本参加青年のオフィシャルFBページにて一度記事にしましたが、実際に事業に費やす期間は半年ほど!まあその後も、後輩のサポートやIYEO関連の活動をふくめたら終わりはないですが、それは個人の自由なので、。あくまで自分の代として活動するのは約半年ぐらいです!!というのも、事業期間自体は、近年10月半ば~12月半ばと2ヶ月ほど、秋~冬に行われていますが、選考に合格して準備を開始するのが8月、事業終了後の帰国報告会が2月になるので、8月~2月という計算をすると、約半年になるというわけです!もちろん、日本を離れているのはその10~12月のみなので、それ以外の期間は自分の学業や仕事もできますが、事業の前後は毎日のようにメンバーと準備等で連絡をとりあうような日々でした。(一時的に海外とか通信環境悪い状態のところにいると、戻ってきたときにLINEの件数とか恐ろしいことになっています・・ホウレンソウ大事)
費用はいくらくらいかかるの?
この費用についても東南アジア青年の船日本参加青年のオフィシャルFBページにて一度記事にしましたが、40万円はトータルであったほうがいいかな!という感想です。というのも、日本参加青年として内定して支払う団費が約30万円くらいなんですよね(ちなみに私の時だと第二次選考の試験結果通知後、一括払いだったんで応募検討している人はそれまで要貯金)。もちろん、大学で奨学金をもらったり、会社で研修扱いになる人は一概には言えませんが。一般的な人は団費30万+準備&船や各寄港地で使うお金として10万円くらいみといたほうがいいと思います。Japan Contingentとして、支給される制服以外にも、皆で着物揃えたり名刺作ったりTシャツ作ったりいろいろあるので、準備金で6万くらい、現地でのお土産とか船で買い物したりで3~4万持っていく人が多かった印象です。
試験はどんな感じ?合格倍率は?
試験については、下記別記事にまとめましたので、是非ご参考までに。
◎東南アジア青年の船 選考 傾向・対策まとめ◎
・「【東南アジア青年の船】応募書類の書き方―私はコレで合格しました!」
・「【東南アジア青年の船】中間選考(第一次選考)についての傾向・対策」
・「【東南アジア青年の船】第二次選考(二次試験)の概要・流れについて」
・「【東南アジア青年の船】第二次選考―個人面接試験(日本語)傾向対策」
・「【東南アジア青年の船】第二次選考―グループディスカッションの全容」
・「【東南アジア青年の船】第二次選考―語学試験(英会話面接)傾向対策」
・「【東南アジア青年の船】第二次選考の教養試験・小論文―傾向と対策!」
ほかに、過去2016年度の参加青年として私が2017年度の応募者向けに参加青年オフィシャルのFacebookページにて執筆した記事もありますのでさらに知りたい方は下記もどうぞ。Facebookアカウントない方でも下記アドレスから見ることができます。2017年度以降の参加青年もたぶん今後選考情報を更新してくれると思うので、ぜひページフォローしてみてください↓。
▶︎2017/2/1投稿 – 第1回〜どんな人が日本参加青年(Japan Participating Youth, JPY)になってるの?〜
▶︎2017/2/15投稿 – 第2回〜ぶっちゃけ…○○ってどうなの?〜
▶︎2017/2/22投稿 – 第3回〜応募書類について詳しく知りたい!〜
▶︎2017/4/2投稿 – 第4回〜一次試験通過後には何をすべき?!〜
▶︎2017/5/17投稿 – 第5回〜二次選考の流れ&全体的なポイント〜
▶︎2017/5/18投稿 – 第6回〜教養試験(小論文含む)について〜
▶︎2017/5/20投稿 – 第7回〜英会話試験について〜
それから、倍率についてですが、日本参加青年の場合だと、年度にもよるかと思いますが1次選考~最終までで、2~5倍ぐらいかと思います(倍率が公表してある年もありましたが、近年はしてないようです)。2016年度だと、全国で競う第二次選考で半分以上~三分の二未満落とされるような人数がいて、で、都道府県の第一次選考でも全員が通ってるわけではないと思うので、はい、やっぱ体感的に2~5倍ぐらいかと。
東南アジアの参加青年では、国によってこの東南アジア青年の船(SSEAYP・セアップ)の人気がものすごくて、29人の枠に何千人も応募、100倍を超える倍率になるような国もあるそうです。そういうのと比べると日本でも、もっと人気・知名度ともにあがるといいなーと思います。まだまだ執筆しますねん。